オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

他者の悪口に近づくな!

その男はリング上から、観客の罵声をニンマリと満足そうに聞いていた。

「人殺しぃ~!」
「悪魔ぁ~!」
「卑怯者ぉ~!」
「おまえなんか、死んでしまえ!」
中には、リングを降りた彼に襲いかかってくるファンもいたそうだ。
それでも彼は、罵声を浴びれば浴びるほど、自分の悪役としての人気が高まることを知っており、とことんヒールに徹していた。

そんな、狂虎 “タイガー・ジェット・シン” も、普段は温厚な紳士だったという。リング上で魅せる彼の狂気は全て演技だったのである。それは、呪術師 “アブドーラ・ザ・ブッチャーも同じ。



5月23日。
木村花さんという女子プロレスラーが急死したという。
何でも、出演していた「テラスハウス」というTV番組での言動をめぐり、SNS上で誹謗中傷が相次ぎ、それを苦に自殺を図ったものと見られているそうだ。本当だろうか?
彼女がプロレスラーだったということを知り、私は前述のシン、ブッチャーのことを思い出した。

ファンの罵声なんて、プロレスの世界では日常の光景? それに耐えられなければ、プロレスラーを名乗る資格なんてないのではないか?... 不謹慎にもそう感じてしまった。

プロレスラーといっても、男子と女子では違うから...という人もいる。
しかし、ダンプ松本は、男子レスラー以上にヒールに徹していた。本当はいい人に見られたくないため、普段でもファンの前では悪に徹していた。サインを求められても威嚇して追い返したそうだ。罵声を浴び、自宅には剃刀入りの手紙や小包までもが送られてきたという。

プロレスは脚本のあるショーである。しかし、テラスハウスなんていう番組は、それ以上のヤラせではないだろうか? また、SNS上での誹謗中傷なんて、ヒールレスラーが受ける会場での罵声に較べれば、トイレの落書き程度に過ぎないのではないだろうか?

木村花さんの自殺が、ネット上での誹謗中傷が原因とは思えないのです。
もっと他に、、遠因が積み重なっていたのではないだろうか?
しかし、それが引き金になっていた可能性は否定出来ない。
人はみな心の中に他人には窺い知れない闇がありますからね。


ネット上での誹謗中傷が社会問題にまでなっています。
私などは、そんなもん気にするな! スルースキルを身につけろ!もっと強くなれ! なんて思ってしまいますが、人の心は千差万別、そうもいかないようです。実際にそれを苦に自死を選んでしまう人がいる以上、ネット上であろうと、ある程度の規制は必要だと思います。あまりにも酷いものがありますからね。



誹謗中傷。
う~~ん... 他人の悪口が好きな人っていますからね。

仕事帰りの酒場で、パワハラ上司や仕事に支障きたす迷惑行為する同僚批判程度はいいのですが、自分より立場の弱い者に対する仕事に関係ないことでの陰口は、悪口というより、もはやイジメの範疇です。
そんなイジメが多く発生するのは、男子ならロッカールーム、女子なら給湯室。とは、よく言われます。

よくいますよね?
「あの人、あまり喋らないでしょ?」
「あの人、雰囲気暗くない?」
「あの人、情緒不安定じゃない?」
なんて、同意を求めてくるバカ。

つまり、あれは弱いもの探し、自分の味方探しなんですよね。

その手の陰口が出たら付き合っちゃいけない。自分に返ってくるかもしれませんよ。


日本は集団が重視されます。
同調圧力も強く、ちょっと変わっている人はイジメ、陰口の対象になることも少なくありません。
アットホームな集団にイジメが多いというのは、組織というより馴れ合い集団が多いからだと思うのです。

親分肌、姐御肌と言われる人も要注意ですね。彼等(彼女等)は自分の方針に従う人には面倒見がよいのですが、それに反する人には残酷な一面があります。

本物の親分肌とは、黒門町の伝七親分みたいな人のことを言うのです(笑)。


他者の悪口に近づくな!!