2021 多くの有名人の訃報があった。
一番ショックだったのは、田中邦衛さん。この人については、「ひょっとこおじさん」のタイトルにて、このブログでも書きました。
千葉真一、田村正和、瀬戸内寂聴、橋田壽賀子、笑福亭仁鶴、太田淑子、中村吉右衛門、、その他。
ご冥福をお祈りします。
そして、寺内貫太郎演じる小林亜星さんも亡くなりました。
「おいおい暴れるな!あんたは星一徹かよっっ!?」
美しき日本の伝統芸。
ちゃぶ台返しといえば、星一徹か、自虐の詩か、あの寺内貫太郎を思い浮かべる人は多いと思います。
現代の価値観から云えば、あのような振る舞いは、男尊女卑のパワハラ、モラハラ、DVとされること確実。批判の対象でしょうね?
でも、私は貫太郎を憎めない。
それは、その根底に「愛」があるからなんて、軽々しく愛なんて言葉を使うつもりはありませんが憎めない。
愛というより、心配なんですよ。それを口に出せないほど不器用でシャイ。
自信がなく、家族に甘えていると感じるのです。そして、追い込まれると暴れるしか方法がない。
私はアットホームと言われる空間ほど、イジメやパワハラは多いと思っています。それから「親分肌(姐御肌)」と言われる人も好きになれない。
大体、親分なんて、火付盗賊改長谷川平蔵、黒門町の伝七親分、赤塚漫画のココロのボスぐらいしか信用していないのです。ブタ松親分も(笑)。
親分肌を気取るやつ、アットホーム風の集団は、同調圧力が強く、それに従わない者に対しては、残酷で冷たい一面を見せますからね。
貫太郎一家はアットホームではない。
寺内貫太郎は親分肌ではない。
ただ、自信のない不器用な頑固おやじに過ぎないのだと思う。
過剰に家族に気を使い、子どもに対しても顔色を窺い、親も子も対等な立場だと言い、友達の様な関係を築くのが理想だと言うものがいる。
それ、理想かな? 逆に子どもにとっては鬱陶しくならないかな?
新旧価値観の対立、意見の食い違いの中から、親を超えて、否、認めてもらうことが理想だと思うのです。
寺内貫太郎は、簡単に家族の意見を受け入れはしない。
それで飛び出されても、いつまでも心配している。見捨てることはない。
根底に愛があるから?...なんて、そんな理屈で威張りくさり、パワハラを繰り返す、どこかの組織長とは、寺内貫太郎は正反対なのだ。
本当に愛がある人は、恥ずかしくて蕁麻疹が出来るから、そんなこと軽々しく口に出せるはずがない。
何を言いたいのか?
分からなくなってきました。
泥沼にはまる前にやめておきます。
寺内貫太郎のモデルは、向田邦子さんの父親だそうですね?
あの「父の詫び状」での父と、同一人物ということになります。
向田さんも、そんな父に反発しながらも、その本当の優しさを懐かしんでいます。
良し悪しは別として、寺内貫太郎的頑固おやじが滅びそうなのは寂しい。
寺内貫太郎こと、小林亜星さん。
高木ブーさんと共に、デブでも長生き出来ることを証明してくれました。
もう少しだけ頑張ってほしかったけど、数々の名曲楽しませて頂きました。
安らかにお眠り下さい。
小林亜星さんの多くの名曲中、一番好きな曲を貼っておきます。(夜がくる)
今年最後のブログ更新になります。
来年もよろしくお願いします。