オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

ジャイアンと静香ちゃん

昨日の夕方。
テレビを点けるとたまたま『ドラえもん』がやっていたのでついつい最後まで観てしまった。

私が注目したのはガキ大将ジャイアンとマドンナ静香ちゃん。その連想で小学生時代の同級生と近所のガールフレンドのことを思い出したのです。

その出来事は小学校入学前。
近所の原っぱで静香ちゃん(仮名・笑)と遊んでいると、玉川良一(知ってる人いるかな?)をガキにしたような顔のデカいやつがやってきました。私は自分より何才か上だと思いましたね。身体が大きいし態度もデカい。
まさにジャイアンだったのです。

「おまえら誰だ! 邪魔だから向こうへ行ってろよ。帰れ!」

そう言ったかどうかは忘れたが、とにかく威圧的で恐ろしい顔。
それが殴り掛からんばかりに詰め寄ってきた。私なんて小柄で臆病で弱っちょろかったですからね。
おっかなくて、ダッシュで逃げた(幼少期の私の自慢は逃げ足)のです。

走りながらふと思った。
(ああ~! 静香ちゃんを忘れちった...)

あれは季節はいつだったのかな?
私は虫取り網、静香ちゃんは虫籠を持っていた記憶があるので春~夏かな?
私の中の心象風景は原っぱで蝶々やバッタを追っていた春です。

静香ちゃんを置いて、自分だけ逃げてきてしまった・・・。
静香ちゃんは私より一つ下で、母親同士仲が良い関係でお互いの家をよく行き来していました。

(今頃、静香ちゃんはジャイアンに泣かされているかも、このまま帰ったらお母ちゃんに、、静香ちゃんちのおばちゃんに怒られちゃうな...)

そんなことを考えながら、恐る恐る原っぱに戻っていったのです。
(ジャイアンにつかまったらどうなっちゃうんだろう? )
原っぱに戻ると電信柱の陰からそっと中を窺いました。

そこには、静香ちゃんもジャイアンもいませんでした。無人です。

静香ちゃんは何処へ行ったのだろう?
ジャイアンに何処か連れて行かれたのかもしれない。どうしよう、、、。

昭和30年代。
まだ舗装されていない道を、トボトボ家に向かいました。
静香ちゃんに何事もなければいいけど心配だ。それに自分だけ逃げてきてしまったことをどう言い訳しよう。
私は中々家に入れなかったですね。

家の中を覗いて見ると、母と静香ちゃんのお母さんと、それに、ちゃっかり静香ちゃんもいました。
おまけに、ワタナベの粉末ジュースまで飲んでいたのです。

たった、それだけの遠い日の思い出ですが、それは強烈な記憶として、幼少期・心象風景の象徴として心に残っているのです。

ジャイアンとは小学校が同じになり、入学早々同じクラスになりました。典型的なガキ大将タイプでしたが、どこか憎めないやつでしたね。
本家ジャイアンと同じ?で、彼は勉強は全然出来ませんでしたね(笑)。
私とは結構仲が良かったですよ。

静香ちゃんは、私が2年生、彼女が1年生の時に引っ越しました。
彼女とは10年以上の時を経て再会することになります。
このことについては、色々ありすぎてかなり長くなるので、いつかその気になったなら書くかもしれません。

やっぱり、ドラえもんとか、ど根性ガエルの世界観はいいですね。

あれは昭和40年代の風景です。