オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

時をかける監督

映画監督大林宣彦氏が亡くなりました。

尾道三部作
『転校生』
時をかける少女
さびしんぼう

うむ... 少年・少女の甘酸っぱい青春を描かせれば、この人の右に出る監督はいないでしょうね。
そして、ノスタルジーなんですよ。

名監督を知るには、その残した作品を回顧するということ。

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初めて「転校生」を観た時の衝撃、感動は忘れられない。
小林聡美の怪演は圧巻だったが、何といっても有名なラストですね。

走り去るトラックを追いかける一美。
追ってくる一美に8mmカメラを向ける一夫。

「サヨナラ、おれ!」
「サヨナラ、あたし!」

一夫の8mmカメラの中の一美は、モノクロームになり次第に小さくなっていく。

余韻。。。ノスタルジアの極み。
何度観ても遠い思春期を思い出してしまうのです。


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時をかける少女」の原田知世はスゴかったな。

ラスト、、余韻に浸っていると、エンドロールで唐突に歌い出すんですよ。
大林監督の少女趣味、アイドル好きは有名ですが、あれは反則でしょう?
アイドル映画の金字塔だと思います。
それに、映画史上最強の棒読み演技。スゴかったなぁ(笑)。

監督によれば、あの棒読みも意図的なものだったそうですが、あれで、一変に原田知世のファンになってしまいました。

私は原田知世は魔女だと思っているんですよ。
現在52才?53才? 若すぎる。妖怪に間違いないでしょうね。


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さびしんぼう」は、全編に流れるショパンの「別れの曲」が印象的でしたね。
主人公の母親役。藤田弓子さんが泣きたくなるほど最高でした。
この作品での真の主役は、尾美としのりでも、富田靖子でもなく、藤田弓子さんだと思いますよ。
富田靖子さんも、NHK朝ドラに出演したり、活躍されていることを嬉しく思います。




大林宣彦監督作品には欠かせない尾美としのりさんも、本当にいい役者になりました。

大林宣彦監督作品の特徴として、台詞が恥ずかしいというのもありました。観ているこっちまで恥ずかしくなるような台詞。
でも、それがいいんですよ。


尾道三部作の他にも「青春デンデケデケデケ」や「異人たちとの夏」も好きでした。
数々の名作ありがとうございました。

大林宣彦監督のご冥福を祈ります。