西部劇お約束のパターンってありますよね?
荒くれ者が集う酒場・・・。
男はドアをギィ~~っと開ける。
バタン!っと閉まる。
トコトコとカウンターの奥の方へ。
「おやじ!ウヰスキーでも貰おうか...」
ウヰスキーのショットグラスが、スィーーーっと、横滑りにカウンターに流れてくる。それをグイッと一気に飲み干した。
奥の方から荒くれ男たちの笑い声。
「おいおい! 見ねえ顔だな? 余所者はミルクでも飲んで帰りな!」
男は無視を決め込んでいたが、ゴロツキ共の度重なる挑発に堪忍袋の緒が切れる。その後はお決まりのパターン。大暴れの末、やがて、あのカタルシスが訪れるのである。
そんな、お決まりの西部劇を堪能出来る名作「シェーン」を鑑賞しました。
ラストシーンの「シェーーン! カムバック!!」ばかりが、あまりにも有名なこの映画だが、そんな主役シェーンを演じるアラン・ラッド以上の存在感を示したのが、ジャック・バランス演じる殺し屋ウィルソンだ。
《映画史上、最も印象に残る悪役は?》
例えば...
ハンニバル・レクター博士。
バットマンの敵役 ジョーカー。
サイコのノーマン・ベイツ。
赤穂浪士の敵役 吉良上野介。
etc...
他にも多くの悪役はいるわけで、人それぞれでしょうが、私は断然、殺し屋ウィルソンの名前を挙げたいですね。
寡黙で静かな物腰、全身黒ずくめの出で立ち、酒は飲まずコーヒーを好む。
殺し屋ウィルソンは徹底したニヒリストであり、何の躊躇もせず人を撃ち殺す。心はない、、サイコパス?
想像してみてほしい。
ゴロツキ共の怒号飛び交う酒場の片隅で、ウィルソンは静かにコーヒーを飲んでいるのである。酒ではなく、コーヒーを好むというところが怖い。
冷めた眼光を周囲に放ち、黒いハットに黒いチョッキ、黒手袋、全身黒ずくめ。まるで蝙蝠のようである。
ジャック・バランス。
スゴい俳優だ! 殺し屋ウィルソンを演じることによって、その後の殺し屋のステレオタイプを築いたといっても過言ではない。
そういえば、故ジャイアント馬場だったかな?
「人間的に信用できる奴じゃないと悪役(ヒール)なんて任せられない」
そう語っていた記憶があります。
想像が膨らむ。
もしかしたら・・・。
殺し屋ウィルソンは、仕事(殺し)に関しては、何の感情も挟まず、一切妥協躊躇することなく冷酷に実行する。
しかし、仕事を離れれば、コーヒーを愛するもの静かで温厚な紳士なのかもしれない。 だからこそ、、怖い。
悪役に乾杯!🍻
ところで、ジョーイ少年が叫ぶ有名なラストシーン。
「シェーン! カムバック!!」
シェーンは、あの後どうしたのだろうか?
死んだ、、あるいは既に死んでいたという説、都市伝説?があります。
興味のある方は「シェーン死亡説」で検索してみて下さい。