オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

名馬 Memories 怪物編④ 真の怪物は? そして天才編へ。

名馬 Memories 怪物編① 怪物と呼ばれた名馬達
https://okeraman.hatenablog.com/entry/2021/03/13/165208

名馬 Memories 怪物編② 怪物が咆哮していた時代
https://okeraman.hatenablog.com/entry/2021/03/26/051515

名馬 Memories 怪物編③ 怪物はファースト・インパク
https://okeraman.hatenablog.com/entry/2021/04/17/025441


この続きになります。

多くの怪物候補を挙げてきましたが、では、真の怪物は?
マスメディアの間で、最も多く怪物という称号で語られたのは、地方の怪物ハイセイコー芦毛の怪物オグリキャップシャドーロールの怪物ナリタブライアンだと思いますが、この三頭は怪物にとどまらない、それ以外の要素が多すぎるように感じます。

私のイメージの純然たる怪物は?

キタノカチドキ
トウショウボーイ
マルゼンスキー
グラスワンダー
アグネスタキオン


牝馬では?

ヒシアマゾン
ウオッカ

私の独断と偏見による、真の怪物は?

King of the Monster
トウショウボーイ

King of the witch
ヒシアマゾン

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近年も強い馬はいくらでもいましたが、トウショウボーイキタノカチドキグラスワンダー等に感じたような「こんな馬には絶対勝てない!」と思わせてこそ、真の怪物だと思います。そして、怪物は脆さも併せ持っている。
近年、そう思わせるような怪物馬が少なくなったのは、競走馬の育成方法が進歩し、底上げから、個体間の差がなくなってきたからかもしれませんね?

まぁ、競走馬の称号は人それぞれで異論もあると思いますがご容赦を。

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このシリーズ。
王者編、怪物編の次は、天才編にしたいと思います。

天才?
本当に限られた馬。

もう、No1はあの馬しかいないでしょう?

皇帝の仔。


名馬 Memories 天才編。

このシリーズの更新は、6月以降になると思います。

しばらくは一般話題で。

再掲 「口裂け女」

毎週、このブログを更新するのも結構大変で。
今週は、過去の再掲でお許しを。

コロナ禍、、まさか、ここまで長引くとは思いませんでした。
そんな、コロナ禍初期?の頃に書いたものを再掲します。


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口裂け女のいた夜「あたし、キレイ?」


https://okeraman.hatenablog.com/entry/2020/04/02/024320

ほろ酔い気分の私は、国道沿いを家に向かってゆっくり、ゆっくりと歩いている。人が殆ど歩いていない、、新型コロナウイルス騒動で“不要不急の外出を控えて下さい”との要請が東京都知事からあった週末の晩である。

向こうの方から誰かがやってきた。
おや! 女のようだぞ。マスクで年齢不詳ではあるが、スタイルの良いきれいな女のようだ。夜、一人で歩いている女なんか別に珍しいことではない。が、今夜はコロナ騒動による自粛要請で、まるで戒厳令下の夜を連想させるような静けさ。私はその女に妙なものを感じた。 
女と行き交いそうになった時だ。女は私の眼前でピタッと立ち止まった。白い顔、、美しい女であるのは間違いない。しかし、、女の顔に表情はない。
女はマスクを外すとニヤっと嗤った。
口が耳元まで裂けている。

「あたし、キレイ?・・・」
全身の毛穴が粟立った...


以上は、勿論私の妄想である。

「週末は不要不急の 外出はぜひとも控えてください」
新型コロナウイルスの感染者が急増しているのを受け、東京都知事から自粛要請のあった先週土曜日。
私も家で大人しくしていましだが、夜になると侘びしさに耐えられず、ちょっと飲んでくるか、、気を付ければ大丈夫だろう。と、行きつけの焼き鳥屋に向かいました。

家にいると侘びしいので、外へ出ると、、世間はもっと侘しかった。

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カウンターとテーブル席が二つあるだけの小さな店だが、いつもそこそこ席が埋まっているのに、その日は、テーブル席に夫婦連れらしい客が一組だけ。私は誰もいないカウンターに一人座った。
いつも黙々と仕事をしているマスターも、幾分手持ち無沙汰のようだ。横浜銀蝿のファンだったというこのマスターは、コワモテで無口で力士のように大きい。恐そう:..という人もいるが、私はこのマスターのシャイでやさしい性格を知っている。愛想を振りまくわけでなく、必要以外絶対客に話しかけない。私はこの空間が大好きで、気が付けば20年近く通っている。


背後のテーブル席、夫婦連れ?の会話が聞こえてきた。
「コロナ騒動で、口裂け女もマスクがなくて大変だろうね。妖怪も居場所がない世の中になっちゃったたね...」

かつて民俗社会の中に存在した妖怪も、マスメディアを中心とした商売人がガンガン手を入れ、すっかりカリカチュアライズされてしまった。
キャラ化された口裂け女を「かわいい~♪」なんていう女子高生もいる。


ここで妄想の続き。

マスクを外した口裂け女が嗤う。

「あたし、キレイ?・・・」

一瞬、狼狽えた私だが、思い直すと腕をクロスにし、ウルトラマンスペシウム光線の構え。

「コロナビーーム!」と返した。


口裂け女は悲鳴を上げて逃げ去った。
なぜか、、私は哀しくなった。


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今日、この店に行ってきました。

あの頃、来年の今頃は楽しい絵を描いていましたが、現実は更に厳しいことに...。
どうなってしまうんでしょうね?

緊急事態宣言。
今年のゴールデンウィークも引きこもりになりそうです。

暇なので、この期間に2~3の更新をしたいと思っていますが、、確約は出来ません。

名馬 Memories 怪物編③ 怪物はファースト・インパクト

名馬 Memories 怪物編① 怪物と呼ばれた名馬達
https://okeraman.hatenablog.com/entry/2021/03/13/165208

名馬 Memories 怪物編② 怪物が咆哮していた時代
https://okeraman.hatenablog.com/entry/2021/03/26/051515


名馬 Memories 怪物編①②
からの続きになります。



そして、、、
昭和終わりから平成の幕開けに、地方笠松競馬から一頭の怪物が中央にやってきました。
マスメディアが積極的に「怪物」という称号で呼んだのはハイセイコー以来だったかもしれません。

芦毛の怪物」
オグリキャップについては、単に怪物という称号では済ましたくない。
この名馬については、これ以上説明する必要はないでしょう。


オグリキャップ以降。
黄金の90年代、最も日本競馬が栄えた時代だったかもしれません。
そして、多くの名馬が登場。

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メジロマックイーン
トウカイテイオー
ミホノブルボン
ライスシャワー
ビワハヤヒデ
ナリタブライアン
サクラローレル
ヒシアマゾン
マヤノトップガン
ダンスインザダーク
サイレンススズカ
スペシャルウィーク
エルコンドルパサー
グラスワンダー
エアグルーヴ
等々...。

どうでしょうか?この錚々たる面々。
驚くべき時代でしたね?

しかし、名馬=怪物ではありません。
タイプがあると思います。

この中で怪物的なものを感じるのは?

ミホノブルボン
ナリタブライアン
ヒシアマゾン
エルコンドルパサー
グラスワンダー

怪物は “ファースト・インパクト” が大切だと思っています。

レース経験を積むことによって成長才能が開花するのではなく、天性のポテンシャルで相手をねじ伏せる。
洗練されたものより荒々しい野性味あってこそ怪物だと感じます。


ミホノブルボン
皐月賞、ダービーでの強さは魔物カブラヤオーを思わせ、そのカブラヤオーは夏を越せられなかったのに対し、ブルボンは菊花賞二着(三冠あと一歩)。
しかし、戸田式スパルタ坂路調教で鍛えに鍛えられた姿は怪物というよりサイボーグ。皇帝ルドルフが面白味のないマシンならば、ブルボンは面白く感情移入してしまうサイボーグ。


ナリタブライアン
公に怪物という称号で呼ばれたのは、地方の怪物ハイセイコー芦毛の怪物オグリキャップ、そして、このシャドーロールの怪物ナリタブライアンだけだと記憶します。
しかし、怪物というにはファースト・インパクトが足りなかったかな?
シャドーロールを付けてからの姿は怪物以外の何ものでもない。この馬も、怪物という単純なニックネームで済ますのは抵抗ありますね。

そんな全盛期のナリタブライアンと、有馬記念で真っ向勝負を挑んだのがヒシアマゾン
昭和のトウメイ、テスコガビー以来の女傑が出てきたと思いました。
後に出てくるエアグルーヴのような洗練さはありませんが、あの豪快なレースっぷり。文句なしの女怪物=魔女と断じたいと思います。


そして、グラスワンダーエルコンドルパサー

私は、怪物のイメージある馬として、最初に思い浮かんだのは、キタノカチドキトウショウボーイ、そして、グラスワンダーだったんですよ。
とにかく、ファーストインパクトが強烈だった。
凱旋門賞で、世界のモンジューと争ったエルコンドルパサーもそうですが、インパクトという点ではグラスワンダーでした。どちらも本当に強かったと思う。でも、、、マル外ということもありますが、マルゼンスキー同様、怪物というよりエイリアンかな?


そして、21世紀になると怪物は少なくなった。それは、競走馬の育成方法が進歩したのが大きいと思う。
皆、洗練されていったように感じる。

シンボリクリスエス
キングカメハメハ
ディープインパクト
オルフェーヴル

実績的には怪物でしょう?
でも、怪物というには何かが違う。

アグネスデジタル
アグネスタキオン
ドゥラメンテ
ウオッカ

これらに感じますね。

21世紀の名馬に関しては、記憶も新しく細かい説明はいらないでしょう?

皮肉なことに、怪物は少なくなったのに、近頃のファンは怪物を求めているのか? ちょっと派手なパフォーマンスを見せれば、すぐに怪物扱いする傾向が強くなってきたように感じます。

しかし、真の怪物は歴史に選ばれた名馬。大抵はメッキが剥がれるか、途中リタイアするのです。

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思いの外。
王者編と違って、怪物編は候補が多いですね?
名馬 Memories 怪物編

次回は「名馬 Memories 真の怪物は?
そして、天才編へ」(更新日未定)

散歩とカツ丼と...

休日の昼下がり。
ダラダラと散歩するのが好きなのです。そこに「目的」があってはならない。目的や目標なんて面倒くさい。

旅は途中下車や行先不明が楽しいのだ。それは散歩も同じだろう?
何にも制約されず、一人思うまま自由に歩き回る。


だらだら、、

 ふらふら、、

  きょろきょろ、、


大抵は本屋に寄る。
あの空間ほど落ち着ける場所はない。
飽きもせず何時間でもいられる。
幸福な時間なのです。

“ 近頃は、ちょっといい話風の小説が流行っているのだな?つまらん!”

“ 芸能人本なんて買うやついるのか? 頭悪いんだろうな... ”

“ リーダー論とか組織論等のビジネス本の殆どは胡散臭い詐欺本だ ”

そんなようなことを、心の中でぶつぶつ呟きながら本を眺め回るのが楽しい。結局、おれは時代小説を買って本屋を出るのであった。


外へ出ると、雲行きが怪しい。
遠くの方で雷様がゴロゴロと怒っているような気がする。

“こりゃ、一雨来そうだな...”

あたりを見まわすと、小さな蕎麦屋が目に入った。ちょっと空腹を感じていた。迷わずそこへ飛び込む。

《客はおれ一人のようだ》


ビールの小瓶

カツ丼

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散歩で渇いた喉に、冷たいビールが沁みる。心にも沁みる。
ビールがあれば、この世も捨てたもんじゃない。シアワセの極み。
ビールを愉しみながら、時代小説をパラパラめくっていると、奥の方から甘辛そうなタレの匂いが漂ってきた。

おれのカツ丼。
そろそろやってくるな? ビールにカツ丼、なんというベストなチョイス。

亜米利加人が言っていた。
「ビールにはホットドックが最高!」

独逸人も言っていた。
「ビールにはソーセージが一番だよ」


これだから、欧米の食文化は理解出来ない、風情がない。
ビールにはカツ丼と決まっているじゃないか! 日本人で良かったと、シミジミと思う。

ん? ちょっと待てよ。 

ビールと一番相性が合うのは餃子じゃなかったのか?
鶏の唐揚げを食べながら飲むビールも格別だ。
枝豆や奴豆腐という、圧倒的なビールの手下もいる...。

「はい! カツ丼ね!」

おれのカツ丼が来た!

出汁で玉ねぎをサッと煮て、サクサクのとんかつを白飯にのせ、卵でとじてある。

これがいいんだな。

ソースカツ丼だの、味噌カツ丼だの、卵でとじないものは信じられない。
それなら、丼にせず別々に食べればよろし。ついでに言えば、カツカレーも別々に食べた方が良い。
近頃では丼にせず、オシャレなお皿に入れ、カフェ風カツ丼もあるらしい。

てやんでぇ! 何がオシャレカツ丼でぃ! カツ丼は伝統芸でぃ!


ザーザー 
 ザーザー
  ザーザー


外では雨が激しく降っている。
時折、稲光がピカリと光る。
どうやら、雷様の怒りはまだ鎮まっていないらしい。
同じ雷様なら、高木ブーのように穏やかであってほしいよな...
そんなくだらないことを考えながら、一人苦笑するのであった。

雨でしばらく外へ出られないな、、店に置いてある東スポを見ながらビール小瓶をおかわりする。

東スポのページをめくる。
ちょうど、エッチなページが出てきたところで、店のおやじがビールを持ってきた。
おやじは、おれと東スポのエッチな写真を見較べると「ニヤリ」と笑った(ような気がした)。

《ち、ちがうからな、、おれはプロレス欄か競馬欄が見たいんだからな。スケベ男じゃないぞ!》


夕立ち?
雨は止んだ。雷様も去ったようだ。

「すいませーん、お会計」


うまいカツ丼だったな。
辛いのか甘いのか、しょっぱいのか?
決して上等なカツ丼ではないけれど、量もあったし安い。なにより満足感があった。カツ丼というものは...

これで いいのだ!


まっすぐ帰ろうか?
それとも、焼き鳥屋でも寄ろうか?
まず、競馬新聞でも買おう。

素晴らしき散歩を終えるのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

世の中はコロナ禍の中、一向に収まりそうにありませんね。

あのお蕎麦屋さんも閉店していました。

おまけに糖尿病となった私は、カツ丼をかきこむように食べることは出来なくなりました。

それでも私は散歩を続けます。
健康のため、ゆっくりでなく、早歩きのウォーキング。
今日も5~6km程、歩いてきました。

来週は “名馬 Memories 怪物編” の続きを更新しようと考えています。

ひょっとこおじさん。

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋(いか)ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

(中略)

北ニケンクヮヤソショウガアレバ

ツマラナイカラヤメロトイヒ

ヒドリノトキハナミダヲナガシ

サムサノナツハオロオロアルキ

ミンナニデクノボートヨバレ

ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ

ワタシハナリタイ

宮沢賢治雨ニモマケズ』より”


私が好きだった俳優、田中邦衛さんが死んじゃったよ...。

どうですか?
上記、有名な詩、宮沢賢治雨ニモマケズ」を読むと田中邦衛さんが思い浮かばないですか?

私は基本的に “照れの精神” がない人は信用しないんですよね。
実直でシャイ(照れ)、口を尖らせて朴訥と喋る邦衛さんの語り口がたまらなく好きでした。
人間の表情で一番美しいのは、照れくさそうな笑顔。
田中邦衛さんほど、そんな笑顔が似合う俳優さんは他にいない。

「冗談じゃねえよぉ~」
と、口を尖らせて喋る姿はどう見ても “ひょっとこ” ですよね(笑)?

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田中邦衛さんは、絶対に胸を張って堂々とは歩かないでしょうね?
ちょっと俯き加減で、背中を丸めて、ポケットに手を突っ込みながら歩く。否々、そういうイメージがあります。
普通なら、そんなおじさんは風采の上がらない男に見られがちですが、邦衛さんは結構シャレている。決して野暮ったくなく垢抜けている。
日本的な性格?ではあっても、洋風な感じがする。
実写版「ルパン三世」で、次元大介を演じているように、何となくルパンの世界観と調和する(私の主観です)。

あの不器用?な田中邦衛さんのスタイリッシュさは、どこから来るんでしょうね? 饒舌な言葉ではなく、表情や動作にその秘密があるのかもしれませんね。


そういえば、田中邦衛さんは享年88才だったという。これは、あの “笠智衆” さんと同じなのだ。

日本的な佇まいの笠智衆さん、ちょっぴり洋風な田中邦衛さん。
常におじいさんであった笠さん、常に若々しい?イメージがあった邦衛さん。タイプは一見正反対であったが、私は共通するものを感じるのです。


自信を持って生きている人なんて稀なのだ。人は誰もが心の何処かにコンプレックスを持っている。

不器用ながらも朴訥と真面目に一生懸命生きている姿に、人々は胸を打たれるのだ。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ...


田中邦衛さん、大好きでした。
さびしいけれど、安らかにお眠り下さい。ありがとうございました。

名馬 Memories 怪物編② 怪物が咆哮していた時代

名馬 Memories 怪物編① 怪物と呼ばれた名馬達

https://okeraman.hatenablog.com/entry/2021/03/13/165208

名馬 Memories 怪物編
前回①の続きになります。


私が最初に「怪物」と認識したヒデハヤテ以来、ハイセイコーキタノカチドキカブラヤオーテスコガビーと、毎年のように怪物が登場する。
まさに、モンスター達が咆哮していた時代でしたが、その翌年にとんでもない怪物が現れた。

その名は、天馬 トウショウボーイ

あの、衝撃の皐月賞
3歳馬(当時、旧表記4歳)でありながら、有馬記念を楽勝(Rタイム)。
「差が開いた、差が開いた、、これは恐ろしい時計です!」と、杉本アナを絶叫させた神戸新聞杯
そして、なんと言っても、流星の貴公子 テンポイントとの数々の名勝負。
(ん、、テンポイントも怪物じゃないかって? 怪物というより天才(編)タイプだと思いますね。)

トウショウボーイに関しては、これ以上説明する必要はないでしょう?
また、思い入れも強いので、長くなってしまいますから。


怪物の時代はまだ終わらない。

TTG時代の翌年に異質の怪物が登場する。外車 マルゼンスキー

果たして、マルゼンスキーは本当に怪物だったのだろうか?
これは、ヒデハヤテにも言えることなのですが、その真の実力を発揮する舞台が少なかったのが物足りない。
外向脚という、いつ故障してもおかしくない爆弾も抱えていた。

「大外でもいい、賞金もいらない、他の馬の邪魔は一切しません。だからダービーに出して下さい」 中野渡清一

走るたびに後続をぶっちぎり「異次元の走り」とは、彼のためにある言葉なのかもしれません。
しかし、私はマルゼンスキーに怪物の称号を与えるのは違和感がある。
あれは別種のバケモノ。

トウショウボーイが、正真正銘、掛け値なしのモンスターならば、マルゼンスキーは正体不明、得体の知れないエイリアン。 例えるならば、前者は怪獣王ゴジラ。後者はウルトラマンを倒したゼットン... (笑)。


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ここで、歴史のタラレバ。

オールドファンの間で、昔からよく議論されてきた幻のドリームマッチ。
1977 伝説の有馬記念に、マルゼンスキーが出走していたら?

さすがのTTGも、マルゼンスキーのスピードについていけないのではないだろうか?

タフなレース経験のない?マルゼンスキーは、TTのプレッシャーに潰されるのではないか?

そんな意見があります。
実現しなかったことは残念でしたが、今では、どちらも傷がつかなくて、あれで良かったのだと思っています。


怪物たちが咆哮していた時代。
マルゼンスキー後、新たな怪物は中々登場せず、スターホースは、トウショウボーイの仔ミスターシービー、皇帝シンボリルドルフという、両三冠馬まで待たなくてはなりません。
シービーにしても、ルドルフにしても、後のタマモクロスにしても、強い馬ではありましたが、怪物のイメージではなく、タイプが違うと思います。
《 実績ある馬=怪物ではなく、イメージ。その称号が似合うかどうか?》

第一回ジャパンカップ

我々競馬ファンは、海外の怪物を目の当たりにすることになります。
日本の強豪馬が、次々と惨敗する。
「世界との差はこんなにもあったのか?...」と、日本のファンにはショックだったでしょうね。


さて、マルゼンスキー以降の怪物は?
昭和の終わりに出てくる、ご存知、あの芦毛の怪物。

マルゼンスキー から芦毛の怪物まで。
その間に、怪物の片鱗を見せた二頭の馬も付け加えたいと思います。

サルノキング
天才、田原成貴に「自分が乗った中では最強馬」と言わせた。
後にトウカイテイオーに出会う田原ですが、サルノキングも相当な器だったのは確か。引っかかる気性といい、怪物然とした雰囲気を醸し出していた。
まともに走っているところを見てみたかった馬でした。あの逆噴射事件がなければ?と、思わずにいられません。

もう一頭はビゼンニシキ
あのどこまで伸びるんだ?という走りは、キタノカチドキトウショウボーイを彷彿とさせましたが、同じ時代にシンボリルドルフがいた不幸。
それにつきますね? この馬も故障で現役が短かったですね。

怪物と呼ばれた馬達の特徴に、故障早期リタイア傾向があるのも事実。



そして、時代は本物の怪物を迎えるのです。芦毛の怪物オグリキャップ


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名馬 Memories 怪物編
次回③に続きます。(更新日未定)

次回の更新は別の話題になります。

『お帰り寅さん』巡礼の旅。

車寅次郎が帰ってきた。

懐かしい、、あの四角い顔に細い目。
しかし、それは残像だった。


私が(映画版)寅さんと出会ったのは11才の時でした。寅さん演じる渥美清さんが亡くなったのは1996年。私は38才になっていた。

寅さんがいた時代。
思い返すと、あれは夢を見ていたんじゃないだろうか? と、思うことがあるんですよね。


『お帰り寅さん』

1995公開「寅次郎 紅の花」以来、実に24年ぶりに寅さんがスクリーンに帰ってきた。

冒頭の桑田佳祐歌う「男はつらいよ」主題歌。賛否両論ありますが、私はこの段階でうるっときました。
さくら、ひろし、甥っ子のみつお...。
懐かしい面々。
その中に、相変わらず寺男を演っている、源ちゃんこと佐藤蛾次郎さんの姿を確認した時は胸が熱くなりました。


う~~ん...。

もう寅さんはいないのだと再認識させられる。

スクリーンを通して、寅さんの魂への巡礼の旅に出掛けているような錯覚に陥る。

寅さんの魂に触れているとはいえ、決して厳かな気分にはならない。
何たって、日本一楽しく面白く賑やかなおじさんだったのだ。

そして、日本一のアウトサイダー

しかし、在りし日々の寅さんを思い出す時、その姿が滑稽であればある程、なぜか胸が締め付けられるのです。

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シリーズ50周年記念『お帰り寅さん』

映画の内容に関しては、余計な批評は控えようと思っています。

疑問(不満)点は多々ありますが、ファンそれぞれの思いもあるでしょう。この映画を通して寅さんを思い出すことに意義があると思うからです。

それにしても24年ぶり?の「とらや」の面々。さくら、ひろし、源ちゃんも歳をとったなぁ...。
そして、おいちゃん、おばちゃん、先代の御前様、タコ社長の姿はない。

映画の中では、寅さんの生死は明らかにされていない。
仏壇の、おいちゃん、おばちゃんの写真の横には、寅さんのそれは並んでいない。

「夏になったら鳴きながら、必ず帰ってくるあのツバクロさえも、何かを境にぱったり 姿を見せなくなる事だって、あるんだぜ」

これは、寅さんの有名な(捨て)台詞ですが、登場人物は未だ寅さんはどこか旅をしていると思いたいのだろう。
しかし、その回顧する表情から寅さんはもういないと、悟っているようだ。
皆、心の中で寅さんのゴーストと会話しているように思える。


なぜ、寅さんを観ると懐かしい気持ちになるんでしょうね?

多分、寅さんと、その周囲の面々を見て、今は亡き自分が出会った人たちを思い出すからなのかもしれません。

“ こんな人がいたなぁ... ” と。 


渥美清さんが亡くなり、寅さんシリーズも「紅の花」を最後に終了すると、その後の「とらや」はどうなったのだろうか? 山田洋次監督には、とらやを舞台に新作を撮ってもらいたい。と、ずっと思っていました。
しかし、それが実際に実現してしまうと、ファンとは勝手なもので、自分が想像するその後とは異なものになってしまいました。
ファンそれぞれの「その後のとらや」があり、その想像力に任せてもよかったのではないか?
という矛盾した気持ちもあります。


いつかおまえの よろこぶような♪
  偉い兄貴に なりたくて♪

果たして寅さんは、偉い兄貴になれたのでしょうか?


寅さんが我々に啓蒙していたのは?


Love&Peace&Freedom


であったと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

今週 3/20(土) 18:00~

BSテレ東開局20周年特別企画 春だ!さくらだ!寅さんまつり


そして、翌 3/21(日) 19:00~

『お帰り寅さん』


放送されます。

興味のある方は是非。
寅さんに会いましょう。