オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

恋文の想い出(中)

前回からの続きです。

https://okeraman.hatenablog.com/entry/2022/01/23/171138


生まれて初めての恋文。
つまり、ラブレターってことですね。
そんなものは、文学やテレビドラマの中だけの世界だと思っていたので、それを自分がもらうなんて、、女子から求愛を受けるなんて不思議でした。

もらっても、どうしていいか?

現在の私が、そんな14才の自分に出会ったらどうするだろう?

「お前、しっかりしろよ!」

そう言って、その頭を2~3回小突いてやりたいですね。
そうすると、14才の自分に「おじさんって、50年後の僕ですか?」なんて私の顔をマジマジと見られるだろうな。
少年(14才の自分)は、絶望してうなだれながら去ってゆく。
それは、あまりにも残酷だよね?

話は横道に逸れてしまいました。
閑話休題

林聡子から受け取った恋文は、その夜、勉強をしている(フリ)時に、そっと家族に隠れて読みました。
なぜかラジオでは、渚ゆう子の『京都慕情』が流れていたのを記憶します。

その内容は?

恥ずかしくて言えません!(笑)

敢えて言うならば、そこに書かれてあったのは『純愛』です。
いいですねェ~! ティーンエイジャーの青春っていうものは。
女子は男子に較べると大人なんだなとも感じました。あの年頃はそうですよね? 男子は青くさく垢抜けない。

私はせっかく恋文をもらったというのに、次の日から意識しすぎて、林聡子と廊下等ですれ違っても、彼女を見ることが出来ない。もらったまま、返事も出せず放置状態でした。数日過ぎると、須藤美樹がやってきた。私はビクッとする。

「聡子からの手紙読んでくれた?」

「あ、ああ...」

私は須藤美樹から責められているような気分になった。
そんな微妙な雰囲気を、他のクラスメートに感づかれたくない。
異常な照れ屋さんだった私は、林聡子に返事の手紙を直接渡すことも、話しかけることも出来ない。
大人しめの彼女も、積極的なタイプではなく、私に話しかけることは出来なかったのでしょう。
そんな二人を見て、須藤美樹もやきもきしていたのは想像に難くない。

とにかく、私はクラスメートに知られ、噂になり、冷やかされ、からかわれることを異常に恐れていた。
黒板や机に、チョークで相合傘を書かれることは間違いありませんからね。

そういえば昔「小さな恋のメロディ』という映画がありました。
ダニエル(マーク・レスター)が、一目惚れしたメロディ(トレーシー・ハイド)に求愛する。二人は次第に仲が良くなってゆく。それを知ったクラスメート?は、ふたりをからかい茶化す。

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恋愛先進国?の、英国はロンドンでさえあれですよ。
ましてや日本! 昭和40年代のキューポラのある街でしたから、バカばっか。

その後、どういう経緯だったかは記憶が薄いのですが、須藤美樹の仲介で林聡子との交換日記を始めました。
一冊のノートを共有して、交換で日記を書きあうのです。
一週間交代だったかな?
メールがある、ネット世代には信じられないでしょうが、確かに交換日記という文化はあったのです。

そこでも、お互い直接相手に渡すことは出来ず、間に須藤美樹が取り持って交換しあっていたのです。
気を使ったでしょうね?

結果的に、その交換日記は3~4ヶ月続いたと思うのですが・・・。


目がきつくなってきたので、次回に続きます。