オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

タンバリン猿

酒場のカウンターで一人飲みながら、競馬新聞で明日のレースをチェックしている時だ。

背後の4~5人連れがギャーギャー大声で喚いている。

他の客が迷惑するだろがっ! 莫迦

そこまでは我慢した。
どこの酒場でもこういう群れた莫迦はいるものである。
奴らは頭の働きが鈍いので、自分たちだけの盛り上がりで、周囲のことは目に入らないのだろう。

その群れた莫迦共の誰かが、つまらないジョークを飛ばしたようだ。
すると、それに呼応した太鼓持ちが、恐るべき間抜け面で大爆笑した。

パンパンパン! 「ワハハ!」
手を叩きながら、でっかい声で笑う。

おれの堪忍袋はキレる寸前だ。
ギリギリ我慢した。

すると、調子に乗ったジョーク飛ばし莫迦が、ヘビー級並のつまらないジョークを連発する。
その度に太鼓持ち莫迦が応じる。

パンパンパンパン!
手叩き連発。

同席の女が、キャーキャー金切り声で大爆笑している。
こんなに大声で騒がれちゃ、他の客が五月蝿くて会話できないだろがっっ!
(おれは一人だからいいのだが...)


“ おまえらだけで『幸せなら手を叩こう♪』やってろ。 莫迦たれ! 💢 ”

おれは完全にキレた。

「すいませーん。お勘定!」

完全にキレたおれは、群れた莫迦共を横目に店を出た。
莫迦って人種は、注意すれば逆ギレする可能性があるので黙って帰った。

おれはこういう連中を『タンバリン猿』と、軽蔑の感情を込めて勝手に呼んでいるのです。

正確にはシンバル猿というのかな?

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いいんですよ。
大声で笑っても手を叩いて騒いでも。でも、それは貸し切り等の個室でやってほしい。他の客と同じ空間でやるのは猿並み知能と言われても仕方ない。


タンバリン猿タンバリン猿🐒

いつ頃からでしょうか?
笑う時に必要以上に手を叩いて笑う人が増えてきたのは。結構いますよね?
バラエティーの影響?

彼らは場を盛り上げたい。
集団の中で自分の存在感を示し、ムードメーカーになりたい。
分からないでもありませんが、どうしても違和感があるのです。

ここが笑いどころですよ~

同調圧力を求められているようで。

面白いジョークが出た時は、その場に自然な笑いが起こります。
当然のことではありますが、タンバリン猿はそれを台無しにする。
何よりもうるさい。

バラエティーなんか観ていると、先輩芸人の大して面白くもないギャグに、お調子者の後輩芸人が “ここが笑いどころですよ ” という感じで手を叩いて大袈裟に爆笑している。
自分より強い者、つまり、権威に対する「媚び諂い」と感じるのは考えすぎでしょうか?
観ていて不快感しかありません。

社会の縮図を見ているようで。。。

芸人だけでなく、サラリーマングループの飲み会等でも、必ず「部長!部長!」と言いながら太鼓持ちしているお猿さんが、一般人の中にも多くなってきましたね?

ん! 違うかもしれない。

昭和にはもっと多くの権威に媚び諂う猿がいたな。

でも、グループ外の人間がいる酒場等の空間で騒ぐタンバリン猿はあまりいなかった。そういう点では周囲に対する配慮はあったと思います。

まぁ、タンバリン猿には、植木等主演『日本一のゴマスリ男』を百万回観て、太鼓持ち道を勉強してもらいたいもんですね。
特に芸人さんには。


笑う時に手を叩く行為を苦々しく考えていたら、写真を撮られる時のピースサインも思い出した。
撮られる照れくささのカモフラージュかもしれませんが、みんながしているから? 私は偏屈者だから絶対しない。
あれも日本人の多くに見られる典型的な付和雷同。一種の同調圧力のよう。

ピース✌ 恥ずかしくならないのか?

笠智衆さん演じる御前さまの「バター!」を見習ってほしい。