オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

鏡の前に立つ男。

風呂上がりに鏡の前に立つ。
そこには還暦すぎ、初老男の無様な身体が顕になる。
「ふぅ~!」と、ため息を吐き、冷蔵庫から缶ビールを取り出しぐびっと呷る。快感...。

朝、歯磨きをする。
鏡とにらめっこである。
“ なんだ! このおっさんは?... ”
そこには目を逸らせざる得ない現実がある。
そして、なるべく見ないようにして、冷蔵庫から納豆を取り出し、それをかき混ぜ納豆ご飯を食す。旨い...。


目の前にある現実から、目を逸らせようとするのは、安易な姿勢であると思う。人間、歳をとれば体力や容姿が衰えるのは当たり前なのだ。

しかし、本当の意味で「歳」を意識するのは・・・。


冷蔵庫を開けた、、、
はて、何を出そうとしたのか?

スマホで検索しようとする、、、
はて、何を調べようとしたのか?

昨日食べたものは、、 はて?

本を買った。
あれれ、、、同じ本が2冊あるぞ。


ひどいのになると、古い付き合いで顔は浮かんでいるのに名前が出てこない... これは困る。
若い頃はそんなことなかったのに。


以前、テレビで何たら評論家が言っていた。
物忘れは誰にでもよくあることで、思い出すまで頑張らないと、ますます衰えてしまうと心配する人もいるが、心配無用で悠長に構えていれば後になってひょっこり思い出す。「なんで思い出せないんだ!」とイライラする方が脳に余計なストレスをかけるのだそうだ。

そんなことは分かっているんです。

その評論家?は、続けてこう言った。
「それが老化のメカニズムです」

やっぱり、老化じゃないか!

人は誰でも自分自身の老化は認めたくないものなんです。


歳をとると、季節の変わり目で、腰が痛い、肩が痛い、背筋が、首が...。
よくあることですね。
他にも、走れない、跳べない、投げられない、階段息切れ、酒弱くなった、すぐ転ぶ、、、色々ありますね。

でもでも、、、

はて? はて? はて? の記憶力低下。
つまり、加齢による脳機能の衰え、知能の低下が私は一番恐ろしい。

こんなブログを書くのに、若い頃ならものの15分もあれば充分だったろう。
それが言葉を忘れ検索したりするので30分以上かかっているかもしれない。

ただ、ある程度の年齢になると、蓄積した知識を取り出すのに時間がかかるようになってくるのかも?それは蓄積している量が膨大になったことと関係しているのならいいのですが。


ストレスが一番まずいのかな?
それは、全て知能にも健康にも幸福度にも結びつくことですからね。

同輩の皆さん。
ゆるゆると穏やかに生きていきましょう。