オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

祖母の焼きめし

父からビンタを食らった...。

父はお酒を飲むと饒舌な人だったのだが、普段は本当に無口な人だった。

祖母が怒ったね。
かわいい孫(笑)が目の前で殴られたのだから、そりゃあ怒ったね。
父は気まずそうな顔をして黙ってしまった。

それが、チャーハンの最初の記憶。

祖母の作るチャーハンは、炒飯というより焼き飯。
ん? 炒飯と焼き飯はどう違うのか?
一般にチャーハンは具材や卵を先に炒めてからお米を炒める。 焼き飯は、お米を炒めてから卵や具材を加えるそうです。祖母が作るのは、明らかに焼き飯。醤油に刻みネギ、ハムで炒めただけの、至ってシンプルなもの。

私はそんな祖母の作る焼き飯が大好きだった。

ある日、近所の中華料理屋(といっても、昔だからただのラーメン屋)で、焼き飯でなくチャーハンなるものを、生まれて初めて食べた。

うまい
 うまい
  うまい♪

まだ、外食するのは珍しい時代。
たまに食べに連れられても、シンプルなラーメン(支那そば)が定番だった。
チャーハンは贅沢なメニューだったのです。美味しかったなぁ、、、。

それが頭にあったのでしょう。

「ばあちゃんのチャーハンは田舎臭いよ、卵も肉も入ってないまずい」

そんなようなことを言ったと思う。

そりゃあ、父が怒るのも当たり前。
父のビンタにも意味があったのです。でも、祖母は私にではなく、父を叱りつけました。


現在の私は糖尿病。

一番いけないのは、炭酸飲料や洋菓子。でも、これは我慢できる。
米(ご飯)や麺類(特にうどん)も駄目らしい。これはきつい。

近頃のレトルトチャーハンは恐ろしく旨い。こんな食べ物がある時代は本当にシアワセだと思う。

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チャーハンは美味しい。
 チャーハンは満足感がある。

糖尿の敵。
ご飯ですからね、、最も避けなくてはならない食べ物のひとつ。

チャーハンが食べたい!


昔、うちは鋳物工場で両親は忙しく、私はお婆ちゃんっ子でした。
ずいぶん、可愛がってもらったもんですが、やさしいので甘えていたんでしょうね。

田舎くせぇ~
 時代遅れぇ~
  貧乏くせぇ~
   弁当が田舎っぽく恥ずかしい。
   
言いたいことをいえるのはいいことなのだが、ずいぶん酷いことを言った記憶があります。


きっと、私が糖尿病になったのはバチが当たったのでしょう。


ふと、そんなチャーハン事件を思い出しました。


後年。
私が田舎臭いとバカにしていた、祖母特性のヤキメシをたまに作るようになりました。

具はハムとネギだけ。
それを醤油で炒めるのです。

案外旨い。
こんな旨かったのか...。


チャーハンが食いたい。
 チャーハンが食いたい。
  お婆ちゃんの焼き飯が食いたい。

まぁ、婆ちゃんの焼き飯が食いたいってのは半分嘘ですけどね(笑)。

食は人生の基本。
食べたいものが食べられないストレスと私は戦っています。

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来週 23日は天皇誕生日で休日なので、

「名馬 Memories 王者編Part②」
を更新しようと思っています。

前回は昭和篇でしたが、いよいよ平成、令和篇にて。