こんな夢を見た...。
馬鹿馬鹿しくも恐ろしい夢を見た。
私は深夜の闇を飛んでいる。
否、飛んでいるというよりフワフワと浮遊しながら旋回している。
木の枝に止まっているカラスがこちらをジィ~っと見ている。
カラスは警戒しているのか?
用心深く威嚇するように、嘴をカチカチ鳴らしている。
私はカラスを刺激しないよう、ゆっくり旋回し、民家が並ぶ方へ向かった。
人に見られてはまずい。
人間が宙に浮いているなんて尋常ではない。見つかれば大騒ぎになる。
ある一軒家。
私はフワフワ浮遊しながら二階の窓から中を覗いてみた。
痩せた老人が茶を飲んでいる。
その風格ある和服姿はただ者ではない。
《どこかで見た顔だぞ...。》
うむ、あの老人は糖尿病で痩せてしまった私自身の姿ではないのか?
ならば、今、こうして宙を浮遊している吾は何者なのか?
嫌々、私はあんな品が良くないし、ヨボヨボのジジイではない。
老人がこちらを見た。
一瞬、目が合ってしまったようだ。
私は慌てて逃げようとする。
スーパーマンのように速く飛べるわけではなく、必死に逃げても、蝶のようにフワフワと舞っているだけ。
屋根から無数の黒いものが飛び立ち、こちらに向かってくる。
コ、コウモリのようだぞ。。。
老人は怖い顔をしながら、窓に寄るとバッと開けた。
和服を脱ぐと、黄金色に輝く異様な姿。手には杖を持ちマントを羽織っている。
老人は黄金色の髑髏の怪人と化し、窓から翔び立った。
ワハハハハハ!
深夜の闇に、笑い声が鳴り響く。
髑髏の怪人とコウモリの一群は宙に浮遊している私を追いかけてくる?
あっという間に捕まってしまうだろう。殺されてしまうのだろうか?
すると、先程のカラスが、髑髏の怪人とコウモリの一群に向かって、嘴をカチカチ鳴らし威嚇している。
私はその隙に木につかまると、そっと地上に降りた。
ここはお寺の境内のようだ。
そこに髑髏の怪人も降り立ってきた。
私は緊張で身構えた。
髑髏の怪人は、元の老人の姿に戻ると、何事もなかったかのように、お寺の建物の中に消えていった。
私はその後ろ姿を見て、その老人の正体を知った。
そうか!
そうだったのか...。
黄金バットの正体は?
葛飾柴又は題経寺の御前様。
つまり、笠智衆さんだったのである。
黄金バットが圧倒的に強いのは、正体が笠智衆だったからなのだ。
私は妙に納得した。
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ブログに書くネタがない時は「こんな夢を見た!」シリーズが一番ですね(笑)。
飛ぶ夢を見る人は多いと思いますが、若い頃は猛スピードで飛んでいたのに、年を取ると、夢の中まで衰えるのです。飛ぶのではなく舞う。