オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

歪なラーメン(屋)考。

 

ラーメン!

なんと扇情的でwonderfulな言葉の響きなのでしょうか?
世にラーメンなんかより旨い食べ物はいくらでもある。 しかし、ラーメンほど満足感があり心を満たす食べ物はあまりないように感じる。

ラーメンは経済負担が少なく簡単で気楽に食べることが出来る。
他にそんな食べ物あるかな?

卵焼き? コロッケ?
確かに旨いが満足感がないのだよ。

ラーメン&ライス。
これ! 最強でしょ? 

私は偏屈な小心者なので、強気の値段はラーメンとして認めたくない。
安上がりでこそ正統なラーメンでありストロングスタイルだと思っている。


小池さん。

ミスターラーメンといったらこの人。
こんなに美味しそうにラーメンを食べる人はいない。
是非、お友達になってみたい。
只、小池さんのモデルとされるアニメ作家鈴木伸一さんとではありません。
あくまで「オバQ」に出演するラーメンバカ一代の小池さん。


ラーメンに高級な味なんて求めていないのです。
以前、知人に連れられ高級ラーメンを食べさせられたことがある。その丼の中は彩りが鮮やかでハンバーグと間違いそうな巨大なチャーシューが入っていた。そして値に度肝を抜かされた。

大袈裟に時代遅れのことを言うけど、ラーメンっていう食べ物は300円以下じゃないとダメなんですよ。
高くてもワンコインが限界ですね。
あんな2000円以上して重量級の肉が入ってる食べ物はラーメンではなく別種の丼料理、否、あれは鍋料理です。
勿論凄く美味しかったですけどね。
でも、あれは私の感覚ではラーメンではないのです。
ラーメンの基本はシナチクとナルトなんです。チャーシューなんておざなり程度でいいのです。

サッポロ一番味噌ラーメンで良い!
120~30円で食べられるます。
そして、ご飯を付ければラーメンライスの完成。あ、カップ麺は正統ではありません。袋麺がいいのです。

ネットで誰かが発言してました。

「袋麺なんて下層民が食べる餌」

ケッ! 下層民?貧民けっこう。
「結構毛だらけ猫灰だらけ!」

 

いつも腹ペコな少年だった中学、高校時代。部活から帰るとインスタントラーメンに丼ご飯を食べていた。
あれがラーメンの基本、郷愁を感じる味なのです。あれ以上のものはない。

それは健康で運動量が多く、すぐ空腹になる少年の身体が欲していることに起因しているのでしょうけどね?

 

最近「街中華」という言葉が流行ってますね? 私は変わり者なので、意地でも流行語は使いたくなく敢えてラーメン屋と言います。

近頃のラーメン屋はチェーン店ばかりでシャレた内装、垢抜けた器。

「いらっしゃませ~!」

なんて明るい笑顔で接客マニュアル言葉で出て来られちゃ興ざめだ。

それならまだ良い。
席に座るとタッチパネルで注文する店が激増している。デジタルは嫌だね、
アナログじゃないとダメだね。

 

(妄想)

夕闇に包まれる頃。

私は寂れた商店街をぶらぶら歩いていると人さらいが出そうな怪しい路地前を通った。その先に地味なラーメン屋がありいつも気になっていたので勇気を振り絞って入ってみる。

「いらっしゃい!」

春川ますみに似たおばちゃんだ。

赤いカウンターだけの店なので、とても居心地の良さを感じた。
客は私の他に二人だけ。
カウンター越し店の奥に三船敏郎のようにぶっきらぼうそうなオヤジが黙々と仕事をしている。
寡黙そうな佇まいがカッコよい。

ラーメンを食べに店に入ったのに、私はこの昭和風情を味わいたいと思う。

「瓶ビールに餃子下さい」

「はいよ!」

最後に〆たのは味噌ラーメン。

味はかなり濃いが、キャベツとモヤシがシャキシャキで旨い。
私は愉快になってコップ酒を追加。

なんてね。

 

糖尿病になってから、かれこれ3年以上ラーメンはミニカップ以外食べていません。もう、ラーメンライスなんて無理。かつては大盛りラーメン&大盛りチャーハン&餃子セットをペロッと食べられたのに。

食いしん坊は遠いむかし。