オケラ街道の奇人

令和という斜面に踏み止まって生きる奇人。自称抒情派馬券師、オケラ街道に潜む。

こんな夢を見た『逃げる男三本立て』

 

その① 『駐車場』

何処の駐車場かは不明だ。
とにかく狭いので何度も切り返しながら枠に入れようとする。
すると、駐車場入口から “早くしろ!” と言わんばかりのクラクションが鳴らされた。“ うるせーんだよ!” と思い、威嚇的な目を向けると入口付近に車が何台も並んでいる。
焦ったおれは再びハンドルを握ると、前方の方からダンプカーがやってきやがった。伴宙太に似た咥えタバコのいかついお兄さんが運転しており、殺意の込めた視線をおれに投げている。

“前門の虎後門の狼” 状態のおれは、面倒くさくなってそのまま車を放置して
走って逃げてしまった。

 


その②『 だるまさんが転んだ』

どこの公園か河川敷かは不明。
でも、野外なのは確かで、そこで大勢が車座になっている。
別に食事をしているわけではないのだが、その中におれもいる。
 
聞き覚えのある音楽が流れてきた。

レッツキッス 頬よせて♫
レッツキッス 目を閉じて
レッツキッス 小鳥のように♪
くちびるを 重ねよ
ララララ  ラララ♫

フォークダンスの「ジェンカ」が始まると皆トレインとなり繋った。

(何の宗教だ? こんな怪しい奴らと一緒にいちゃだめだ。抜け出そう...)

おれはそっと、その恥ずかしい集団から抜け出そうとすると山田邦子が追いかけてきた。必死に逃げるおれに向かって、山田邦子は「だるまさんが転んだ!」と言い放ったもんだから足が止まった。

 


その③アンダースロー

そこは多分、秋葉原駅日比谷線出口だと思う。おれは駅前の昭和道路を渡るべく信号待ちをしている。
向こう側で信号待ちしている一群の中に、高校時代、同じ野球部員であった大平くん(仮名)がいる。
彼は○○高校野球部で控え投手であったが低めに制球されるアンダースロー投法は内野ゴロの山を築いていた。

大平くんが何か白いものをこちらに向けて投げてきた。その白いものは車の間を見事に通り抜け、おれに向かって真っ直ぐ飛んでくる。
おれはそれをダイレクトにキャッチするとおしぼりであることを確認。
しかし、野球が身体に染み付いている者の性(サガ)なのか? おれの野球脳は即座に反応し返球する。進塁を阻止しなくてはならないからだ。

間の悪いことに投げた瞬間信号は青に変わり、こちら側に歩いて来る人々の群れに向かってストレートに飛んでいった。それはプードルみたいなヘアスタイルのおばちゃんの眉間に直撃。

吃驚した?大平くんは昭和道路を神田方面に向かって駆けた。
それに釣られて、おれも大平くんとは逆の上野方面に走って逃走。
走りながらおれは “何故、大平がここにいるんだ?” と不思議に思った。

目の前に多慶屋御徒町店らしき建物が見えたのでそこへ紛れた。